いまここと言葉・説明の問題

小林紀生

2020年07月05日 19:07




「いまここ」を説明する際、説明に使う言葉や表現の問題が出てきます。
そもそも瞑想の状態は、言葉で説明するのが難しいところがあります。

その点、ポジティブとかネガティブというのはわかりやすい。
そのまんま言葉の通りです^^;
「ポジティブになるぞー!」と決意して、
そのまま行動に移せばポジティブになります。


ところが「いまここ」や瞑想状態を説明する言葉は、
言葉通りに理解されるとは限らないことも多かったりします。

「いまここ」は「今を生きる」ことです。
「リラックス」は、「くつろぐ」こと。

これらはわかりやすいのですが、わかりやすいが故に、
何か奥義があるのではないかと考えすぎてしまって、
かえってわからなくなることもありそうです。

これとは反対に、「手放す」「何かになろうとしない」などの説明はトリッキーです。
こちらは言葉の意味通りではなかったりします。
実際は生き生きとしていますし、ナチュラルなポジティブさ、意欲などがあります。


「いまここ」もそうですが、瞑想状態を説明している言葉や表現は、
そのままストレートに表現しているものもあれば、
その状態の一部・側面を示している場合があります。
また必ずしも言葉通りではなかったりします。
言葉を使って、その状態に誘導している場合もあります。

なので「何をいわんとしているんだろうか」ということを体感を交えて想像し、
なおかつ実際に試行錯誤をして、
その狙っているところをつかんでいく必要があったりしますね。
で、これが瞑想などの面倒なところですが^^;


「いまここ」のような瞑想の状態は、作るものではなく、生じてくるもの。
たとえていえば、ダイヤモンドの輝き。
ダイヤモンドの輝きは誰もが内在しています。
それを発掘する作業、再発見する作業が瞑想とも言えます^^;

誰もが持っていますので、「何かになろうとしない」とか
「コントロールしない」とか言われるんですね。

で、説明の言葉にひっかからないためにも素振りが必要なんですね。
素振り。
素振りとは、いまここの実習です。
型の稽古です。

コロナ禍といわれる昨今ですが、こういう時期は、
いまここ・瞑想の型の稽古、素振りにはもってこいのチャンスですね。




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