気付きの瞑想・マインドフルネス・あるがまま【浜松市】

心を癒し成長に役立つ「気付きの瞑想」。「気づきの瞑想」はテーラワーダ仏教に伝わる瞑想です。今ではマインドフルネスとして紹介されています。マインドフルネスのルーツが「気づきの瞑想」です。このブログでは、社会貢献を目的とした情報を発信し、静岡県浜松市で開催している瞑想会、勉強会のほか、瞑想、マインドフルネス、ボディワーク、気功、ヒーリングなど、ジャンルにとらわれず、役立つ情報を紹介しています。

七聖者と四向四果~信・定・慧による解脱

七聖者と四向四果~信・定・慧による解脱

パーリ仏典には「七聖者」という
解脱の段階を示した分類があります。

「七聖者」は、
・パーリ長部28「自歓喜経」
・パーリ長部33「等誦経」
・パーリ中部「キーターギリ経」

に伝承されています。

「七聖者」とは
・信解脱者、随信行者
・倶分解脱者、身証者
・慧解脱者、見至者、随法行者

という3つの解脱と、解脱の階梯と有り様を整理した
解脱の7区分です。


ちなみにテーラワーダ仏教では、「四向四果」が広く知られています。
四向四果とは、
・預流向、預流果
・一来向、一来果
・不還向、不還果
・阿羅漢向、阿羅漢果

の8種類ですね。
大般涅槃経でも説かれている、
もっとも知られている解脱の区分です。

四向四果は、煩悩が無くなっていく深度に従って、
解脱の段階を示していることに対して、
七聖者は、煩悩が無くなっていく深度に加えて、
どの特質(徳)から解脱に進んでいくかをカテゴライズした
精密な区分になっています。



七聖者は、四向四果とも組み合わさっていて、
     [預流向]  [預流果~]  [阿羅漢果]
1.信・・・随信行者 ⇒ 信解脱者
2.定・・・      ⇒ 身証者   ⇒ 倶分解脱者
3.慧・・・随法行者 ⇒ 見至者   ⇒ 慧解脱者


というように分類されています。

「信解脱者」とは、「信(サッダ-)」の徳に優れた人が歩む道ですね。
信だけで預流果以上の解脱に達することができるといいます。
三宝帰依の心が強い、素直さ、正直さといった美徳のある人向けです。
この道で預流向となっている人が「随信行者」といっています。

信仰だけで悟ることができるというわけですね。
ただし、阿羅漢にはなれないようです。
預流果以上まで解脱することができるようです。

信解脱者は「四預流支」のことでもあります。
四預流支とは、三宝帰依と施か戒によって、預流果に至る方法のことですね。
ブッダ在世当時は、四預流支によって預流果に至った人も多くいたようです。
ヨーガでいうところの「バクティ・ヨーガ」と同じでしょう。


「倶分解脱者」とは、禅定を主体とした歩みですね。
禅定が得意な人が歩む道で、ブッダ在世当時、もっとも行われていた王道です。
この道で預流果以上となっている人を「身証者」といっています。

興味深いのは、預流向の段階では、「信」か「慧」の修行をし、
預流果(預流果以上)に達すると、禅定を主体とした歩みが出てくる点です。
最初から禅定主体の歩みではなく、
途中から禅定主体の歩みとなるという点には注目したいですね。

あと禅定だけで解脱をするのではなく、「禅定+智慧」になるといいます。
「禅定+観察(ヴィパッサナ)」ですね。
パーリ仏典に伝承されている王道のやり方です。
現代では、パオ森林僧院が、近いことを行っていると思います。
またヨーガでは「ラージャ・ヨーガ」「マントラ・ヨーガ」などが
相当するのではないかと思います。


「慧解脱者」は、智慧だけで解脱する歩みです。
智慧が優れた人が歩む道で、「乾観者」ともいいます。
この道で預流向となっている人を「見至者」といっています。
また預流果以上に達した人を「随法行者」といいます。

智慧の歩みは、最初(預流向)から最後(阿羅漢)まで、
智慧一本で進めることができるというのは注目すべき点ですね。
ヨーガでいうところの「ギャーナ・ヨーガ(智慧のヨーガ)」に相当します。


ちなみに七聖者の分類から、ダンマの中核は「智慧」であることがわかります。
なぜなら、
・「信解脱者」は、預流果以上まで(阿羅漢にはなれない)。
・「倶分解脱者」は、預流果以上になってから選択できる道。禅定だけでなく智慧が必要。

だからです。

このことから仏教の修行では「智慧」が主体になっていることがわかります。
これは大変重要なポイントを示しています。
解脱においては「智慧」が欠かせないということですね。

パーリ仏典では、禅定を作って観察するくだりが多く記載されていますが、
智慧が核にあるということを見逃してはならないのではないかと思います。



このように「七聖者」は、
1.信
2.定
3.慧

の3つの入口(徳)から始めてゴールに達することが
できることを示しています。

素質等によって信・定・慧のいずれかにウェイトが
置かれやすいということですね。

しかしながら核になるのは「智慧」ですね。
智慧がもっとも重要ということが、七聖者の分類からわかります。


あと信・定・慧は、五根や五力「信・精進・念・定・慧」と重なります。

五根・五力が、ダンマの実践において、
中核を成すことも浮かび上がってきます。

「信・定・慧」は、ダンマ実践において
大事なエッセンスになってくるのではないかと思います。


   
現在のテーラワーダでも、いろんなやり方があります。
手動瞑想の創始者のルアンポー・ティアン師は、
王道の智慧による解脱者です。
慧解脱者です。
https://healingmusic.hamazo.tv/e8419255.html

パオ森林僧院では、禅定+観察です。
倶分解脱者の道ですね。

ただ現代においては、信解脱者を進めているところはなさそうです。
三宝帰依を主体としたやり方は、かなりしっかりとしたサンガがありませんと、
難しいのかもしれませんね。


いずれにしろ解脱は、取っかかりや切り口が違うだけですね。
いくつかの登山ルートがあるということでしょう。

表向きの方法論が違って見えても、
それぞれがお互いに「違う」ということではありませんね。
登山ルートが異なるだけですね。

今の時代には、「信」から入っていくルートは、
まだ明確には無いように思います。

「信(サッダー)」は、さしずめバクティ的(献身的)なのかもしれません。
おおむね「慧」か「定」が多い印象です。

で、ダンマの中心は「慧(智慧)」ということが、
七聖者から浮き上がってくることが、わかるかと思います。







  • 同じカテゴリー(仏教・瞑想について)の記事画像
    発菩提心・回心は大切
    瞑想では意欲・熱量が大切
    気功と瞑想は同じ~2022.10.23静岡県掛川市気功講習会
    瞑想がうまくいかない場合の3つの解決策・対策
    「あるがまま」を妨げるサンカーラの解消方法
    アーチャン・ニャーナラトー師瞑想会 法話~愛知県豊田市 弘誓院【2019年9月28日(土)】
    同じカテゴリー(仏教・瞑想について)の記事
     発菩提心・回心は大切 (2024-03-20 21:52)
     瞑想では意欲・熱量が大切 (2023-12-09 23:41)
     気功と瞑想は同じ~2022.10.23静岡県掛川市気功講習会 (2022-10-24 22:34)
     瞑想がうまくいかない場合の3つの解決策・対策 (2022-01-04 10:09)
     「あるがまま」を妨げるサンカーラの解消方法 (2022-01-02 14:10)
     アーチャン・ニャーナラトー師瞑想会 法話~愛知県豊田市 弘誓院【2019年9月28日(土)】 (2021-12-29 10:08)
    ※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

    削除
    七聖者と四向四果~信・定・慧による解脱
      コメント(0)