気付きの瞑想・マインドフルネス・あるがまま【浜松市】

心を癒し成長に役立つ「気付きの瞑想」。「気づきの瞑想」はテーラワーダ仏教に伝わる瞑想です。今ではマインドフルネスとして紹介されています。マインドフルネスのルーツが「気づきの瞑想」です。このブログでは、社会貢献を目的とした情報を発信し、静岡県浜松市で開催している瞑想会、勉強会のほか、瞑想、マインドフルネス、ボディワーク、気功、ヒーリングなど、ジャンルにとらわれず、役立つ情報を紹介しています。

天地創造・人類誕生をテーマとした7月度原始仏教講座を開催

天地創造・人類誕生をテーマとした7月度原始仏教講座を開催

7月の原始仏教講座では「原始仏典が伝える【天地創造】」というテーマでした。

内容としては、
・地球の崩壊と誕生
・人類の誕生(地球に初めて登場した人類)
・人類最初の罪
・人類の堕落の歴史
・人類の寿命の歴史
・出家は何故始まったのか?

などなど、宇宙や地球の崩壊と誕生、人類はどこから来てどういう姿だったのか、人類の堕落について、いわゆる「天地創造」について原始仏典が伝える内容をご紹介しました。

ちなみに漢訳の阿含経にも同様の伝承があります。が、微妙に異なる点もあり、今日は阿含経に伝わる内容も取り入れながらのお話しとなりました。

また人類の誕生に関しては、原始仏典が伝えているのが、なんと「梵天(宇宙最高神)の神が下生した」という説です。


◆人類誕生の諸説
ちなみに人類誕生の説を、スピリチュアルも含めて整理しますと、

・神(創造主)が人間(アダム)を作った・・・旧約聖書「創成期」
・サルから進化した・・・ダーウィン「進化論」
・宇宙人が作った・・・ゼカリア・シッチン「アヌンナキ」
・梵天の神が下生・・・原始仏典

となります。原始仏典が伝える人類の誕生は、西洋の説とは異なります。



以下、話しを端折るかたちでザックリになりますが、ダイジェスト的に書いてみたいと思います。

◆原始仏典が伝える宇宙の輪廻
天地創造といえば、旧約聖書の創世記が思い起こされます。が、ブッダが説く天地創造は壮大なスケールです。また具体的かつ詳細です。

たとえば、世界は、
(1)壊劫(かいこう)・・・世界が壊れていく時期
(2)空劫(くうこう)・・・世界が空間だけとなる時期
(3)成劫(じょうこう)・・・世界が生じて成長していく時期
(4)住劫(じゅうこう)・・・世界が安定する時期[現在]

というサイクルで変化(輪廻)し続けているといいます。

宇宙はビッグバンで始まったといいます。が、原始仏教では、宇宙はいつから始まったのかはわからないけれども、崩壊と生成を繰り返しているという立場です。

なおこれら4サイクルが4阿僧祇劫(あそうぎこう)という長さといいます。約800億年とも、8垓(がい)年であるといいます。


◆世界の崩壊
で、世界の崩壊が始まる10万年前になると、世界が滅びるので、すべての生命は禅定と善行を修して、梵天に転生しようとするといいます。

で、世界の崩壊が始まると、太陽は分裂して?、天空に2個、3個・・・7個と太陽が生じて、世界はついに滅ぶとか。


◆人類の誕生
やがて惑星(地球)が誕生し、梵天の世界から下生してきた「生ける者」という存在が、人類の最初だったとか。

「生ける者」は、梵天の化身。その気になれば梵天界へ戻ることもできたとか。で、優れた性質を持ち、光の存在で、全身から光を発する存在であったと。身体には骨や肉がなく、空を飛び、喜びをエネルギー源として生きながらえる神々しい存在であったといいます。

人類は、元々「梵天」という宇宙最高神の生まれ変わりであって、ほとんどの生命は元来、梵天だったというのが、原始仏典が伝えるところです。

こうした発想は、キリスト教圏では絶対に出てこない発想でもありますね。


◆人類の堕落
そんな梵天の化身である「生ける者」は、あるときに好奇心から、ヨーグルト上の大地にあった「味地:みじ」または「地肥:じひ)」を食したところ、これが極上に美味しく、とりこになってしまったと。

ところが味地を食するようになると、体から光を発することが無くなって、世界は真っ暗になったと。ところが、太陽、月、星々が現れて、昼と夜が生まれたといいます。

その後、「生ける者」は味地を食べ続けていると、体が硬くなり、骨と肉が生じるようになったか。やがて、味地が無くなり、コケのようなものを食べるようになって、蔓草(つるくさ)を食べるようになって、稲を食べるようになっていったといいます。

で、稲を食べるようになってから、男女の違いが生じて、恋愛が生まれたといいます。ところが、もともと「生ける者」は、性別が無かったため、恋愛する人々に対して、軽蔑し、村八分するようになったといいます。

性的なことへの罪悪感やタブー視は、ここから生じたのではないかとも思うエピソードです。


◆人類初の悪事が登場
やがて稲を貯蔵するようになり、持つ者と持たざる者が生まれるようになったと。

で、「窃盗」が初めて生じたといいます。人類初の罪は「窃盗」だったといいます。

で、窃盗した者を処罰するために死刑(殺生)が誕生。窃盗した者は処罰されたくないために「嘘」を付くようになったと。

こうして人間の世界に悪事が生じて、はびこるようになったといいます。


◆出家のはじまり
やがて、ある人達は、「大昔には我々は、偉大なる梵天の化身だった。光輝き、空を飛び、喜びだけで生きていた。超能力も持っていた。」

「にも関わらず、今では、骨と肉のある体となり、容姿にも違いが生じて、性別さえも生まれた。あまつさえ窃盗、殺生、嘘まで犯すことになってしまった。ずいぶんと堕落したものだ」と反省したといいます。

で、反省した人達は、出家をして、独りで生活を始めます。朝と夕方には托鉢にまわって食事を得て、性的なことを一切しない梵行(ブラフマチャリア)を守っての生活。で、禅定を作って元来の梵天の神と同じ存在(生ける者)に立ち返ろうとしたといいます。

で、これが「出家」のはじまりであり、バラモンのプロトタイプだったといいます。


◆インドにおける出家文化
インドでは出家の文化がありますが、出家は、元々の生命体の有り様である「生ける者(梵天)」に立ち返ろうとすることから始まったというのが、原始仏典が伝えるところです。

出家とは梵天になること(立ち返ること)。これが狙いだったわけですね。

お釈迦さまも、インドの出家文化にならったのではないかと思います。


◆解脱・悟りに関しては出家は必須ではない
しかし悟り・解脱に関しては、出家も在家もそう変わりません。事実、在家でも大勢の人達が解脱しています。

インドの出家文化に関しては、原始仏典の伝承を踏まえると、梵天になるのが狙いだったことがわかります。悟り・解脱の文脈においては、出家はマストでないことも浮かび上がってきます。

また現実を鑑みた場合、日本では、出家の慣習は馴染みません。なので出家については、原理主義ちっくになって強引に取り入れるのは疑問なところもあります。

むしろそれぞれの国の特徴にあわせて考えたほうがいいでしょう。またなんと言っても出家をしなくても実際は悟り・解脱は可能であるという事実を見逃してはならないと思います。

正真正銘の禅においては、現在も日本において悟っている方も出ています。この事実から目を背けることはナンセンスだと思います。

でありませんと、お経に書いてあるからといった原理主義に陥ってしまう恐れもあると思います。


◆人類の罪のはじまりはいつの時代でも「窃盗」~財務省による緊縮財政の罪深さ
なお、「窃盗」は、いつの時代でも最初に生じる罪のようです。

窃盗が生じると、かならず嘘と殺生もあわせて誕生し、これをきっかけにして、悪事がどんどん広まり、堕落していくのが、人類の歴史の法則のようです。

近年の日本では、財政拡大は悪であると称して、財務省は緊縮財政を行い、そのため日本では長引くデフレ。この20年間で所得は下がる一方。先進国の中でも、日本の経済成長率は最下位。もはや発展途上国です。

で、デフレになり、貧困になりますと、人々の心も荒んでいきます。日本人なので、暴動も起きず、モラルも守られていますが、これは民度が高いからでしょうが、追い詰められてきているのが実情でしょう。

原始仏典から読み解くことができるのは「貧困は窃盗を生じて、悪事をはびこらせる最たるもの」ということです。

政治主導の誤りによる国民の貧困化(デフレ)はよろしくありません。歴史を鑑みると、極めて罪深いことであると言えましょう。


と、最後は若干、話しがそれましたが^^;、しかし経済的な潤いもまた大切だと思います。仏教といえば、経済的なことには頓着しないイメージもありますが、それは出家文化の文脈に限った話しですね。

インドの出家文化は、梵天という神に立ち返ることを目指しています。しかし悟り・解脱に関していえば、出家はマストではありません。

在家、一般的な生活をしている者は、経済的に対して否定的な思いを持つことがないようにしてまいりたいものだと思います。

ちなみに8月は、在家にフォーカスしたお話しになります。


◆8月の原始仏教講座
観念的になりがちな原始仏教の教えを実践ベースにかみ砕く勉強会。

次回は第7回目は8月1日(日)
https://healingmusic.hamazo.tv/e9191253.html

8月は在家のフォーカスしたお話しになります。またアショーカ王についてもお話しいたします。さらに原始仏典の陥穽についてもご紹介します。

8月も深い内容と興味深いお話しになると思います。

毎回毎回、見やすくわかりやすいレジュメも用意しています。

ご興味のあります方は、お待ちしております。

小林紀雄

◆2021年 原始仏教講座の詳細
https://healingmusic.hamazo.tv/e8982701.html

◆申込み:申込みお問い合わせは、vipassa65@gmail.com まで



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